運命聖戦第四十四章_ストーリー

ロザー
プリンセス・ララ、それに貴方も…!
ララ
ロザーさん大丈夫ですか!?
ロザー
私はいいの、それより傀流様が危険で……ッ。
ララ
え、ロザーさん!?急にどうしたんですか?土下座なんてやめてください!
ロザー
傀流様を助けて!敵である私を助ける理由がそちらにないのは分かっているわ。
でも魔術団から追われて私も弱いから傀流様を助けられなくて、もう誰も頼れる人がいないの…。
貴方達へした事の報いは必ず私が受けるから…だから、お願い……
あの人は…傀流様は大切な人なの…!!
ララ
…ロザーさん、顔を上げてください。
私もマスターさんも最初から力を貸すためにここに来たんです。
ロザー
え…?
ララ
私達の仲間裏世界の掲示板をハッキングした時にロザーさんの動画を見つけたんです。
ロザー
…あの動画だけで、信じるの…?
ララ
そうですね…でも、必死に助けを求めるあの声が嘘や演技だとは思えなかったんです。
ロザー
プリンセス…きゃあ!?
ララ
わわっ!?何か飛んできたと思ったらこれは…機械の部品?
???
ふふ、驚いたわ。ヴァンパイアでも悪魔でも天使でもない…たしか人間と言ったかしら。
トレイジーとかいう小娘の戯言と思っていたけれど、本当に私の知らない種族がいるのね。
傀流
お前ら…!チッ、ロザーが余計なヤツを連れてきやはったのか…。
ララ
壊道!それに、貴方はいったい…?
???
純血なら少しは私の血を感じているでしょう?
悠遠の過去、貴方と同じ血を持ち生きたヴァンパイア…
アルケ
アルケ・ヴァンパイアと名乗っておくわ。
傀流
魔術団は器を完成させ、ヴァンパイアの祖を復活させたんだよ…。
ララ
ロザーさんが動画で言っていた事ですね。
うぅ、幼い見た目に反してすごい威圧感です…。
アルケ
それにしてもこの躰は渇くわね。
ああ、丁度いい…。人間が贄となるか確かめてあげるわ。
ララ
危ないです!!
いたた…マスターさん、大丈夫ですか?
アルケ
純血の貴女がどうして邪魔をするのかしら…?
他者の血を吸い強き力を見に宿す事ができるのはヴァンパイアだけ。
強者は力に、弱者は贄に…だたそれだけよ。
ララ
もしかしたら貴女が生きてきた時代はそうだったのかもしれません…。
でも、今は人間と共に生きようとするヴァンパイアがいるんです!
強さだけで全てが決まってしまう世界なんてさせません!!
アルケ
そう……ヴァンパイアの本能を抑えたまま生きていくなんで、可哀想な子。
いいわ、貴女も私の一部にしてあげる…!
マディナ
やはり完全に目覚めていなかったのねぇ。
ララ
マディナさん!?
マディナ
お久しぶりねプリンセス、ご機嫌はいかが?…なんてゆっくりお話しもできないの。
アルケはいただいていくわ♪
ララ
だ、ダメです!絶対に離しませ…きゃあ!?
アルケがまるで卵みたいに…!
マディナ
くすくす、フフフ…アハハハハッ!
アルケ、貴女の目覚めに必要なのはやはり聖なる血なのね!!!
ララ
目覚めに、聖なる血…どういう事ですか!?
マディナ
フフ、貴方達が知っている通り器は完成したわ。
だけど魂は微睡の中…まだ目を覚ましたくないと時々こうなってしまうの♪
ララ
まだ目覚めていないなんて、そんな…。あんなに手強い相手だったのに……。
マディナ
貴方達にとって大切なのはここから♪
器に使った聖なる血の影響が魂にも及んでいたら?
ララ
マスターさん…。たしかに封印のために貴方の聖なる血を使いました。
それがアルケの目覚めに繋がる…という事ですか?
マディナ
二人とも正解よ!聖なる血が魂と器を強く結び、完全なる覚醒をもたらすの♪
そうすれば、きっと…きっと!あああッ、もう我慢できない!!
研究室で目覚めを促してあげるわ!
ララ
ひゃあああ!怪しい薬品がいっぱい降ってきました!!
とにかく避難です~っ!
ララ
ハァ、ハァ…。みなさん大丈夫ですか!?
ロザー
私達はなんとか…。
ララ
よかったです~、マスターさんも薬品に当たったりしていませんね!
傀流
敵の安全を確認してよかったか…相変わらずお姫様はのんきだね。
ロザー
傀流様っ…。
傀流
ロザー、お前もだよ。今までの事は全て茶番だって伝えただろ。
ララ
それってもしかして…。
ロザー
貴方達も効いていたでしょう?以前、ファルスが私に伝えていた通りよ。
暁の魔術団は資金源としてウォルデン家に目を付けたの。
そして傀流様から与えられる偽りの愛を信じ私は魔術団に資産を使った…。
傀流
だからもう俺の傍にいる必要はないって言ってるだろ。家に戻るなり好きにすればいい。
俺はお前らの言う愛ってものが特に気に入らないんだ。
ララ
そ、そんな言い方酷いです!ロザーさんは本当に貴方の事を愛していたからこんなに心配して…!
ロザー
でも私は嬉しかった…。
ララ
え…?
ロザー
魔術は使えても力は弱い、資産家の娘だからそれでも構わないと誰にも期待されなくて…
そんな中では傀流様は私を一人の人として扱ってくれました。
たとえ嘘でも資産が目的だったとしても…機会を与えてもらえたようで嬉しかったんです。
ララ
ロザーさん…。
傀流
ハッ、くだらない。そんなもの俺の気まぐれだろ…。
ロザー
はい。ですから、この先も傀流様の思うままに私を傍に置いていてほしいんです。
傀流
俺にとって愛は嫌悪の対象だ…。
ロザー
それも痛感しました。ただ、傀流様を慕うこの気持ちを持つ事だけ…許していただけませんか?
傀流
ハァー……もういい、好きにしなよ。
散々追い回されて…つか、れた…。
ロザー
傀流様!?
ララ
ロザーさん、大丈夫です。気を失っているだけです。
でも、あちこち傷だらけですし手当しないといけませんね。
ロザー
あの…でも、私達は……。
ララ
ふむふむ、なるほど…。たしかにマスターさんの言う通り
壊道…壊道さんとロザーさんの力がなければアルケに負けて全員倒れていたかもしれません。
力を貸してくれたお二人を放置したままではいられません。
ですから一緒に帰りましょう、ロザーさん!
ロザー
…本当に、貴方もプリンセスも甘い人達なのね…。
ありがとう…。
ルチナ
マディナ、ヴァンパイアの祖…アルケの状態は?
マディナ
血を欲して胎動しているわ…。でも普通の血ではダメ。
さっき少しだけ血をあげたけど反応が鈍かったわ。
ルチナ
つまり…?
マディナ
彼女は強者の血を求めているのよ、フフフ…。
   

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