運命聖戦第四十二章_ストーリー

ララ
貴方がマスターさんと新たに契約したヴァンパイアなんですね!
私はララと言います、よろしくお願いいたします♪
アイニス
初めまして、ララ様。私の名前はアイニス・アッシュワーズ、お会いできてとても嬉しいです。
ララ
アッシュワーズ…!もしかしてアイニスさんって、私の両親の活動を手伝っていた一族の方では?
アイニス
ええ、その通りです。我が一族は人間との友好的な関係を望み、
陰ながらではありますが共存世界を目指す活動の支援を行っていました。
ララ
やっぱりです!でも、たしかアッシュワーズ家は離散したと…。
アイニス
はい…。ララ様のご両親が亡くなると反共存派の動きが過激化し、
一族は散り散りとなり闇の中へ逃げ込みました。
存命している者がいるのかも不明で離散している状態と代わりません。
その後、どのようにして私の居場所を知ったのか
『暁の魔術団』と名乗る者達がやってきて私は捕らわれてしまい…
その組織が行っていた実験の被験体として長い間、監禁されていました。
ララ
そんな…!
アイニス
魔術団の者が話していたのですが、実験の影響で元々純血だった私は混血となり、
純血の時に持っていたような力は無くなってしまいました。
ですが、共存を志した誇りは捨てていません!
ララ様は共存の意志を継ぎずっと頑張っていることや、
聖なる血を持つこの方も共存を目指す気持ちは同じなのだと聞きました。
このような状況で傍観者でいることなんてできません。どうか、私にも協力させてください!
ララ
もちろんです!ふふ、マスターさんも何度も頷いています。
同じ目標を掲げる仲間がいるというだけで心強いですよね♪
そういえば魔術団がこの辺りに現れるというのは本当ですか?
アイニス
えぇ、少し前に魔術団の者達が話していたので間違いありません。
ヴァンパイアの団長が率いているサーカスで集めた情報を元に、
ララ様のお城付近にある森を調査すると…。
???
ああ、かすかに…けれどそこにある…。
芳しい、血の香り…!
こっち…いいえ、こちらかしら…。
早く、はやく、ハヤク!この渇きを、癒して…ッ。
ララ
あれ?何かを引きずるような音が…ひぃ!?大きな十字架を背負った人がこちらに向かってきます!
アイニス
あ、ああ…っ。どうしてアレが…エリザがここに…!?
ララ
アイニスさん、あの人のことを知っているんですか?
アイニス
アレは、魔術団は私の血から造った人形…人と呼ぶにはあまりにも不自然で危険なモノです。
魔術団の者達にも襲い掛かり、見境なく生き物の血を啜るため封じられていたはずですが…。
ララ
そんなに危険な存在をこのままにしておけません、私達でなんとかしましょう!
とは言ったものの…魔術団が封じるほどの存在を私達だけで倒すのはさすがに無謀でしょうか?
アイニス
手はあります…。
私の力作られたあの人形は、私の血に触れることで動けなくなります。
魔術団はこの性質を発見、利用してあの人形を封じていましたし、
上手くいけば私達だけでも倒すことができるはずです。
ララ
なるほど!…で、でも、その方法はアイニスさんの血を使うことになりますよね?
魔術団に捕らわれて体力を消耗しているのに危険すぎます…!
え、マスターさんの血を使うって…
もしかして、アイニスさんが血を使う度にマスターさんの血を吸ってもらうということですか!?
どれくらいの血を必要とするか分からないんですよ?その間にマスターさんが倒れてしまったら…。
うぅ…そんなに真っすぐな目をして協力し合えばできる、なんて言われたら……。
やるしかないじゃないですか!絶対にお二人が倒れる前に、相手を倒し封じます!!
力を合わせれば不可能はないと、魔術団に思い知らせてあげましょう…!
ララ
や、やりました!魔術団の人形、エリザを封印しました!!お二人は無事ですか!?
アイニス
さすがに血を使ったからか少し眩暈がしますが…大きな怪我はありません。
貴方もかなりの量の血を私に分けてくれていたけど、大丈夫?…良かった、怪我もないみたいね。
ララ
魔術団は私達の情報を集め、確実に追ってきているみたいですね…。
アイニス
ララ様、少し気になったのですけど…制御が難しいあの人形を魔術団はなぜ使ったのでしょうか。
血に飢え、血を求める存在が特別な血…例えば聖なる血の気配に向いていると
考えた可能性はあると思います。ですが下手をすれば魔術団側で犠牲が出ます。
ララ
たしかに私達を狙うだけにしてはリスクが高すぎる気がしますね。
マスターさんはどう思いますか?
…!そういえばサーカスにいた人形を倒した時
「裏切りの姫は消える、運命…必ず、見つけて取り戻る」と言っていました。
魔術団が失い、取り戻したいものがあるとすれば…
幹部になれるほどの力を持つメンバー、四術師のファルス
危険なのを承知であの人形を使ったのは、
ファルスの探索も兼ねているとマスターさんは考えているんですね…。
こうなったら未だに眠っているファルスを何とか起こして魔術団のことを聞くしかありません!
アイニス
そうだわ、貴方が私を連れて行ってくれたあの病院で診てもらうのはどう?
とても怪しい雰囲気だったけれど、
衰弱し切っていた私をここまで回復させてくれたのはあの時の先生のおかげよ。
ララ
そういえば危険な状態だったアイニスさんをマスターさんが病院へ連れて行ったんですよね。
腕の立つ先生がいるなら診てもらうだけでもいいかもしれませんね!
アイニス
…どうしたの?そんな風に首を横に振って。
ララ
えっ、マスターさんの血がお代なんですか!?
アイニス
それであの時、お支払いは結構と言われたのね…。
本当に…貴方には救われてばかりだわ。
ララ
そこがいいところではあるんですが…あまり一人で無茶しないでくださいねっ?
でも、そうなると…血も体力も消費している今はその先生に頼るのは難しそうですね。
急いでファルスを起こしたい気持ちはありますが…まずは回復を優先しましょう!
もしかしたらその間にファルスも目覚めるかもしれませんし。
さあマスターさん、アイニスさん帰りましょう♪
ルチナ
零式と同じくらい器としての完成は高かったエリザを壊されるなんて…
まあ、制御に使える血を持つヴァンパイアが抜け出したと言っていたし
制御の方法がなければ器も意味はないけど…もったいないな。
誰かは知らないけど、わざわざファルスを探索するように命じているなんて
あのレミエという召喚師の時とはえらく対応が違うじゃないか。
それほど幹部の存在意義が大きいのか、もしくは…。
いや…私はヴァンパイアの祖の復活が為されれば問題ないんだ。
余計なことを勘ぐるのは止めておこう。
それより新しい器の素材、大量の聖なる血を確保したいな。
あの人間の周囲にはうじゃうじゃとヴァンパイアがいるし…
他に聖なる血を持つ者がいないか、施設で調べてみるか。

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