運命聖戦第二十九章_ストーリー

初芽
美萌やめて!本当にこの人の研究で力が手に入るかなんてわからないじゃない。
マディナ
あらあら…酷い言い草ね。私の研究に協力してくれるんだもの、ちゃんと強くしてあげるわ。
…もしかしたら、イラみたいな体質になっちゃうかもしれないけれど♪
初芽
ふざけないで!この子は私の大切なっ…。
マディナ
その大切なお友達が、強くなることを望んでいるんでしょう?
それなら、貴方は賛同してあげるべきじゃないかしら。
大丈夫よ、ちょっと痛いことがあるかもしれないけど…。
この子なら、そんな表情もとても可愛いと思うわ…想像しただけでもゾクゾクしちゃう♪
美萌
構わない!私は誰より強いヴァンパイアハンターになるの。
そのためなら、この人の研究にだって付き合うし、この躰を好きにすればいいわ!
そして、リオン様を聖なる血を持つ者(ブラッドマスター)、お前から必ず取り戻してみせる!!
初芽だって知っているでしょ?
ソイツは人間なのにヴァンパイアの味方をして、リオン様を惑わせた!!
初芽
でも、それで美萌がいなくなっちゃったら、私…私は…っ。
美萌
…私の命はリオン様に救われた。だから今度は私が命懸けで救うの。
それに力が手に入るならどんな姿になってもいいわ。だって私たちもう怪物でしょう?
あの時みたいな、ぬるま湯に浸かった暮らしなんて戻ってこないわよ。
全てはヴァンパイア共を狩りつくすために、そしてリオン様のために私は生きてるの!
初芽
美萌!リオン様は惑わせられたわけじゃないの!
私たちは教団にいいように使われているだけ…っ、この気配は!?
マディナ
ふふっ、どうやらいらっしゃったようね…神に仕える使徒様が。
膝をついて、つい首を垂れてしまいそうなこの威圧感…!ふふふ、堪らないわ!
あの鈍色に輝く光、それぞれの使徒が持つ力…研究対象として興味が惹かれるわね。
個体によってあそこまで姿形が変わるのは何か意図があるのかしら。
…ハァ。全員バラバラにして、あの躰の奥底まで暴かせてほしいわ…!
初芽
貴方という人は…誰に対しても変わらないのね。
マディナ
私を動かすのはいつだって相手が興味を惹く存在であるかどうかだけだもの。
そういう意味では貴方にも興味があるのよ?ヴァンパイアになったお嬢さん♪
初芽
私は貴方のオモチャになるつもりはない。もちろん、あの子にだってそんなことはさせないから!
マディナ
反抗的な瞳も素敵ね、ゾクゾクしちゃう。…でも、今はあちらのお相手が先かしら?
初芽
あれは…!?
ララ
もしかして、あれは…断罪の使徒ヘブンズグリード!
それに神刻の使徒クロノスガーディアン、追放の使徒セレスティアクイーン…
使徒たちが、オメガジェノサイドルーラーのもとへ集まっていきます…!
あたり一帯の空気がこんなに重たいのは、やはり使徒がいる影響でしょうか…。
何か舞っているようですが…きゃあ!この焼けるような痛み…使徒の羽根です!!
ヴァンパイアは天界の力を苦手としています。
私たちの気配を察した使徒による妨害かもしれません…。
かなり広い範囲に羽根が舞っているようです…。
このままじゃ、使徒の力を封じるどころかたどり着くことも…!
ミシェル
そんな弱気な発言は貴方らしくないのです。いつものように前を見てください、プリンセス。
ララ
ミシェルちゃん!?それに皆さんも…!どうしてここに…。
ミシェル
プリンセス、そして貴方が使徒を追っていることを聞いて駆け付けたのです。
ヴァンパイアは天界の力に弱い…相手がその弱みを利用しないわけがないのです。
けれどヴァンパイアの中には私のように天使の力を持つ者も沢山います。
ここに集まった天使の力を持つヴァンパイアは、貴方たちの心強い仲間なのです。
もちろん、私も…だkら、きっと力になれるとそう思ったのです。
ララ
ミシェルちゃん…。
ミシェル
使徒までの道は私たちで作ります。だからそうか、貴方たちはあの使徒を止めてください…必ず!
ララ
…そうですね!ちょっとした壁にぶつかって気を落とすなんて、私らしくありませんでした。
ミシェルちゃんたちは作ってくれた道を無駄にしないためにも、力いっぱい走りきりましょう!
オメガジェノサイドルーラー
何故、自我を保っていられる…?貴様らヴァンパイアは我の支配下にある種族のはず。
覚醒した我の力は完全!人間でなければどのような相手であろうと我に逆らうことはできぬ…!!
ララ
確かに貴方は強いです…でも、私たちは長い時間をかけて貴方とは違う力を手に入れたんです!
オメガジェノサイドルーラー
我とは異なる力、だと…?
ララ
それはここにいるマスターさんと、私たちヴァンパイアが紡いだ絆という力…
たった一人では貴方には勝てなかったでしょう。
だけど私たちはお互いを信じて支え合うことができる。
こんなに素敵な仲間がいて、心まで支配されるわけありません!!
オメガジェノサイドルーラー
…聖なる血を持つ人間よ。貴様の願うヴァンパイアとの共存は、誰かを不幸にするかもしれぬ。
世界の人間を傷付け、ただ一人、深い後悔に苛まれるやもしれぬぞ。
…フン。それでも変わらず抗い、共存を願い続けるか。
よかろう。ならば我に魅せてみるといい!貴様らの願う共存世界とやらをな。
ララ
待ってください!貴方には聞きたいことが…っ、消えてしまいました。
支配の力…とても強く恐ろしいものです。…はぁ、今になって震えてきてしまいました…。
ですが、私たちの絆はそれに負けないほど強くなっていることも分かりました…!
きっと、今日の戦いは共存世界への一歩です!!
美萌
使徒が…教団が負けた…?
ウソだウソだ!人間とヴァンパイアにそんなこと出来るはずがない!!
今すぐ私が殺してやる…!!
初芽
もうやめて!こんなに傷付いた躰じゃ戦えないよ…。
美萌
でも、でもっ…
それじゃあ私は何を信じて、どう生きて行けばいいの!?
こんな化け物になって、もう居場所なんて…
初芽
私なの!
美萌
え…?
初芽
ヴァンパイアに襲われて瀕死だった美萌をどうにか救いたくて…
教団の人間にそれしか方法しかないって言われて…私が美萌をヴァンパイアにしたの。
美萌の躰が冷たくて、どうなるかなんて想像もできなくて、それで…!
ごめんなさい…本当に、ごめ…なさい…。
美萌
初芽…
…顔をあげて…。…ずっと一人で真実を抱えて苦しんでいたんでしょう?…ごめんね…。
こんなに近くで私を護ってくれていたのに、気付けないなんて…
これじゃあどんなに力を手に入れても意味がないわね…。
奪われたくないものが分かっていないんだもの。
初芽
ねぇ、美萌。…私はね、絶対に美萌の傍にいるよ。
頼りないかもしれないけど、それでも傍にいる。何より大切な親友だもの…。
だから、二人で強く生きていこう?…一緒なら、きっと大丈夫だよ。
美萌
…っ。…ふふ、何、その根拠のない自信。
あのね、初芽…助けてくれてありがとう。
初芽
こちらこそ、私の親友でいてくれて、ありがとう…。
教団の男
終焉の使徒までもがヴァンパイアどもに敵わないだと!?このままじゃ、あいつは…!
教祖
…焦ることはありません。時は来ました。私が贄となりましょう。
私なら…神の力を受け止め、使徒になれる。
…私にも…はじまりの人間の血は流れているのだから…。
教団の男
!!それではあの氷の中に眠る女性は…
教祖
私の母…。繰り返される命の中で、最もヴァンパイアによって苦しめられてきた存在…。
私には時間が必要です。少しの間、教団を頼みましたよ。
マディナ
ふふっ、力がほしいなら、改造してあげましょうか?
教団の男
触るな!俺は人間を捨てる気はない。
マディナ
つまらないわぁ。じゃああの子で遊ぼうかしら…♪
   

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