運命聖戦第三十章_ストーリー

ララ
マスターさん、リオンくんたちが持つ蒼聖石の様子が変です…!
教団にいた時のように蒼聖石から力を感じるようになったみたいですが、
赤く染まったり、光が濁ったりしていて…
リオンくんは蒼聖石の力が不安定になっている可能性があると思っているんですね。
もしかしたら、教団に何か動きがあったのかもしれません。
っ!?この気配は…!
オメガジェノサイドルーラー
そう身構えるな、ヴァンパイアの姫、そして聖なる血を持つ人間よ。
ララ
終焉の使徒、オメガジェノサイドルーラー。どうして貴方がここに…。
それに、その躰…灰になって崩れかかっているじゃないですか!
オメガジェノサイドルーラー
…教団の人間が、神の領域に立ち入ろうとしている。
ララ
神の、領域…?…今の状況と関係があるんでしょうか?
オメガジェノサイドルーラー
…人間の考えることなど、我らには理解できぬ。
だが、教団は我らに近付き過ぎた…人間が侵してはならぬ領域にな…
我らの躰に起きている異変も、その人間の行動が原因であろう。
そして、この異変が人間界へ影響を与えないとも言い切れぬ。
ララ
そんな…!
オメガジェノサイドルーラー
たかが人間が神の領域に立ち入ることなど不可能。
あの人間は…、いや、あの人間の血が…それを可能にしたのだ。
共存を願う聖なる血を持つ人間よ、貴様には戦う覚悟はあるのか?
…フン。迷う間もなく肯いてみせるか。
ならばついてくるが良い。教団と天界をつなぐ聖域に我が導こう。
ララ
あの!どうして、私たちにそんなことを…?
オメガジェノサイドルーラー
…興が乗ったまでよ…我に魅せるのだろう?共存世界を。
ララ
!?…オメガジェノサイドルーラーがいませんね。
どうやら私たちだけが移動したようです。
…もしかしてここが教団と天界をつなぐ聖域なのでしょうか。
それに、あの大きな扉はいったいなんでしょう。
……。
ララ
なんだか不気味ですが、道はあそこに続いています。
とにかく進むしかなさそうですね…。
???
アンタたち、止まりなさい!!
ここから先に進めるのはアタシたちの教祖様のみ。部外者は立ち去りなさい!
???
待ってウル。…貴方は、ヴァンパイア王の末裔…プリンセス・ララね。
ウル
ヴァンパイアの…ということは、隣にいるのが例の聖なる血を持つ人間?
それにどこかで見かけた顔だと思ったら、裏切り者の双子まで…。
さすがに、このまま返すわけにはいかないね、アラス。
アラス
ええ…。残念だけど、君たちを野放しにしておくわけにはいかないの。
ララ
待ってください!私たち、どうしても先に進まないといけなくて…
ウル
うるさい!教団の邪魔をするヤツの言葉を聞くつもりないわ!
アタシたちは門番!この扉は護り通してみせる!!
ララ
…っ、そうですね。私たちは戦うと決めてここまできました…。
それに、この扉の奥に教団の真実がきっとあるはずです!…マスターさん、戦いましょう!
バウンダリーカオスゲート
…いた、い…イタイ…ヤメロ!…ガァッ…だすけ、テ…
くるシ、イよ…お、かア…さん……
ララ
あの扉から…男性の…いえ、子供の…?たくさんの声が混ざって聞こえます!
とても苦しそうで、辛そうです…。
マディナ
あらあら。そんな風に情けない声を漏らして…また今度、新しいお薬をあげるから我慢よ?
ララ
貴方は…。
マディナ
こんにちは、プリンセス。こうして逢うことができて嬉しいわぁ。
それに、聖なる血を持つ人間の貴方も…ふふ、ようこそ。
私はマディナ。教団でも研究は私の生きがいよ!
この扉も私の研究成果。いろんな実験体を組み合わせて魔物化したの♪
でもちょっと不安定みたいだから、さっきの門番もここに入れちゃおうかしら…
ララ
門番って…ウルちゃんとアラスさん!?あの方たちは仲間じゃないんですか…?
マディナ
ふふふっ…仲間?プリンセスはおかしなことを言うのねぇ。
傲慢なヴァンパイアの父に人間の母と共に捨てられ絶望した少女…
純血であるが故、愛した人間を目の前で惨殺されたヴァンパイア…
そんな二人に甘く囁いただけ…
「大切な人を生き返らせて、あなたを人間にしてあげる」と…。
つまり、あの子たちは甘い餌に喰い付いた、教団のための人柱なのよ。
門番としての役目が果たせないのなら、生贄になってもらうしかないじゃない?
ララ
そんな…悲しみで傷付いた心を利用するなんて酷すぎます!
マディナ
さっきまで命を狙われていた相手を想うなんて、優しいのね。
その優しさに満ちたプリンセスの中身、この手で暴いてみたいわ…!
ララ
っ!?…ま、マスターさん!
マディナ
そんな強く私の手を払うなんてひどいわぁ…痛いじゃない。
ララ
すみません…あのマディナという人に急に近付かれて、すぐに動けませんでした…
庇ってくれてありがとうございます。
マディナ
ふぅん。貴方って勇敢なのね。
…それは時に、無謀とも言われるものだけど。
う~ん、そうねぇ…
貴方たちが扉の中に入っていくのも面白そうね♪
さぁ、どうぞ。急いでいるんでしょう?
ああ、罠を疑うのなら扉を開けて、私は離れていてあげるわ。
ララ
…貴方は、いったい何を考えているんですか?
マディナ
何も?私の好奇心が満たされること以外は、ね。
ララ
マディナという人、本当に扉を開けて離れましたね…
とても怪しいですし、罠の可能性は捨てきれませんが、扉の中のことも調べなくちゃいけません。
注意して進みましょう!
ララ
ここが扉の中…別世界が広がっているようです!
…っ、感じたことのない空気が漂っています…。
あっ、あそこに見えるのは何かの結晶でしょうか?とても大きいですね。
それに、中に人がいるように見えます…。
リオン
…!プリンセス、あれはただの結晶じゃない…蒼聖石だ!
しかも結晶から滴っている水、あれは聖水だよ。
僕たりが蒼聖石や聖水を初めて手にした時と同じ力を感じるんだ、間違いない。
こんなに大きな蒼聖石があるなんて…
ララ
って、マスターさんが蒼聖石に向かって歩いています!
それ以上近づくのは危険です!何があるかわからないんですよ!?
…あれ?蒼聖石に近付こうとすると、体が…動かない、です…っ。
マスターさん!止まってください!!
そうしましょう、声が聞こえていないみたいです…!
リオン
くっ…!もしかすると、この空間自体が蒼聖石を護っているのかもしれない。
僕たちのような侵入者は近付けない空間になっている、とかね…。
ララ
それならどうしてマスターさんだけ…まるで引き寄せられるみたいに蒼聖石に向かっています。
リオン
聖なる血を持つ人間だからという可能性もあるけど、僕にもハッキリしたことは分からない…。
!?…そこにいるのは誰だ!
まさか、お前が教祖か…?
教祖?
愚かな人間よ…なぜ運命に抗う。
なぜ人間を愛さない…!!
さぁ、神よ…今こそ私に力を…!
私は人間を超越した存在となった…。
ルルア・インモラルロード
涜神の使徒ルルア・インモラルロード──。
   

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