運命聖戦第四十章_ストーリー
ララ | |
犯人は現場に戻ると言いますし、風光の湖を汚したと思われる魔術メンバーが
湖はその近くにいないか調べに来ましたが全然姿を見せる様子はありませんね…。 私がしんどそう、ですか?…えへへ、貴方に隠し事はできませんね。 実は風光の湖に行った後からずっと悪寒がしていて… 湖を汚す原因だったポインプルに触ったからなのかもと思ったんですが、 ムゥちゃんはそんな成分は入っていないと言っていたんです。 マスターさんは元気ですし、ポインプルの回収と手伝ってくれた人達からも そういった話はありませんでした…。 そうですね。少し、休む事にします…。足をひっぱって、すみません……。 |
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??? | |
あら?その子、大丈夫??ああ、急に声をかけてごめんなさい。
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詞羽音 | |
私は詞羽音(しはね)というの、怪しい者じゃないわ。
散歩しにここまで来たんだけど、横になっている女の子が見えたから気になって…。 具合が悪いなら私が見てみましょうか?苦しそうだしできるなら力になりたいわ。 「心得があるならぜひ」ね。ふふ、素直な子。この女の子の事、大切に想っているのね…。 でも、見知らぬ相手に身を預けちゃダメじゃない。 |
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ララ | |
きゃあああッ!?
あ、ぅ…くる、し……。マスター…さん…ッ! から、だ…が、自分の……意志で、動かせ…ない…? |
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詞羽音 | |
そのまま自分の首を絞めなさい。
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ララ | |
くッ…う……。い、き…が…。
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柚 | |
ちょっと、どうなってんの!?強い呪力を感じて来てみれば姫様呪われてんじゃない!
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杏 | |
うん、間違いない。見て分かるくらい多量の呪力が姫様の体内に入り込んでる…。
あなたは…呪われてないみたいだね。…良かった。 |
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柚 | |
で、同じ呪力をあの人から感じるわけだけど…。あんたは何か知ってる?
……ハァ、どう考えたって怪しすぎるじゃない!って人間のあんたに言うのも酷かしら。 |
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杏 | |
姫様なら気付いても良さそうだけど…。
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柚 | |
多分、気付けない程度の呪力を少しずつ流し込んでいたんだと思うよ。
それで時が来たら呪いが完成する仕組み…。そうでしょ? |
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詞羽音 | |
正解♪補足するなら呪力を流し込むのは直接ではなく、物を介していた…ってところかしら。
…ふふ、人間の貴方も正解。私が暁の魔術団四術師の一人よ。 風光の湖を汚しそこに棲む者にポインプルを預け、プリンセスが動かざるを得ない状況と作ったの。 フラミンゴの女の子に魔術団の存在を教えたのもワザと。 ぞろぞろと仲間を連れていたら大変だし、このルイーザはプリンセスに用があったから。 |
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ルイーザ | |
……。 | |
詞羽音 | |
静かな場所で貴方達と逢いたかったのよ。…あら、怖い顔…♪
たしかに強い呪いをかけるためにどれも私は手間暇をかけて用意したものだけど… でも、呪い発動に至る最後の手順を踏んだのは貴方達。見ず知らずの私の言葉を信じたんだから。 そんなにまっすぐで正直だと身を滅ぼす事になるわよ? …疑うばかりでは種族が異なる生き物が共存する事はできない、ね…♪ ふふ、うふふ…!なんて愚かで素敵なのかしら!!! 可愛い可愛い人間さん。私、貴方の事を気に入ったわ。 だから、全力で相手してあげる!! ルイーザ、良かったわね♪貴方の望み通り、プリンセスは好きにさせてあげるわ。 その代わり、人間の方は一応生かしておいてちょうだいね。私のモノにするから…ふふ。 |
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柚 | |
何よアイツ、一人で盛り上がって!っていうか、この状態で戦えっての!?
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杏 | |
姫様の周りを私の呪力で囲ってみる。呪力なら多少は相殺されるはずだから…。
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ララ | |
ハァ…ハァッ……。私は、大丈夫です!それよりあの人を…止めましょう。
ポインプルの事も、許せ…ません! |
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柚 | |
あーもー!杏、こうなったら私達で姫様の呪いが解けないか試すよ!
呪う事が専門だけど、ここで姫様を見過ごしたら呪術師の名折れな希がする!! それに…あんたのそんなしょげた顔、いつまでも見てらんないから。 |
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杏 | |
そうだね。さっきも柚が言ってたけど、相手が上手だっただけ。あなたのせいじゃない。
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ララ | |
わ、たしも…呪いなんか、に…負けません、から!
…はい…!一緒に、頑張りましょう…!! |
柚 | |
まったく、蝋人形に蝋燭を持たせるなんてやるわね。
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杏 | |
蝋燭は呪いの道具として使われる事も多くて、呪力と相性がいいの。怨みも定着しやすいわ。
相手もそれを知っていて、自分の呪力うぃ込めた蝋人形を用紙したんだと思う。 |
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詞羽音 | |
呪いを看破されるだけじゃなく、ルイーザまでやられてしまうなんて…。
すごい力を持っているのね。でも、頑張って戦った結果はどうかしら? プリンセスは苦しんだまま、何も解決できていないわよ。 |
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柚 | |
それは…! | |
杏 | |
……ッ。 | |
ララ | |
詞羽音さん、と言いましたね?…ハァ、…。たしかに、私の呪いはまだ解かれていません…。
でも、私はみなさんの事を…信じて、います…! |
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詞羽音 | |
…貴方達って、私の両親に似ているわね…。
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ララ | |
え…? | |
詞羽音 | |
根拠もなく他人を…人間を信じていた両親は裏切られてその身を滅ぼしたの。
愚かな貴方達もきっと同じ未来を辿るわ。…も私は違う! 争いが続くこの不安定な世界で、力と人を扱う側に立っているの!! 全てコントロールして私のモノにしてしまえば、裏切りを受ける事も滅亡する事もないわ。 |
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ララ | |
そんな…たくさんの人が、違った価値観を持って生きているから…世界は成り立っているんです。
自分の行きたいように、生きるために…ッ、周りを力で、コントロールするなんて… 貴方は、勝手すぎます!! |
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詞羽音 | |
そう、私は私のために生きているのよ。こうやってね。
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ララ | |
!?…う、く…ッ、ま、た……呪いが…。
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詞羽音 | |
魔術団も貴方達が願う共存世界が私にとって都合が悪いから力を貸しているだけよ。
こういう考えを持つ人を他にもしっているでしょう? …ええ、マディナなんかは分かりやすいわね。似た気配がしたから釘を刺したくらいよ。 |
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ララ | |
う、あ…も…息、が…!
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詞羽音 | |
あら、まだ呪いに抗えるなんて…さすがプリンセスね。
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ララ | |
わ、たしは…諦め…ません!
諦めない、信じていると…マスターの瞳が、私を力づけて…くれますから… だから、私も…最後までみなさんを信じて、呪いに抗います…!! |
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夜宵 | |
呪いに蝕まれた体で無理をするものではないぞ。まったくお転婆な姫じゃ…。
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ララ | |
や、夜宵…さん?…どうしてここに…?
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夜宵 | |
ここ最近、近くの湖から妙な気配がしておったゆえ調べに来ていたのじゃ。
場合によってはそこの人間が害が出ないとも限らんじゃろ? そんなことより呪術師の姉妹、力を貸してもらうぞ。 |
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杏 | |
え、何…急に力を貸せって…。
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夜宵 | |
姫の手を握り、思い切り呪力を流し込むのじゃ。そうして呪いを解くのじゃ。
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柚 | |
はあ!?何を言っているの!そんな事したら呪いで弱った姫様の体が…
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夜宵 | |
問答している時間はないはずじゃぞ?…ふふ、さすがは世界を変える可能性を秘めた人間じゃ。
安心するといい、私がおぬしの信頼に応えられぬような腑抜けでない事はよく知っておるじゃろ? |
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柚 | |
分かった!分かったわよ!!たしかに私達にはない力を持った人みたいだし。
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杏 | |
うん、私達はこの人を信じたあなたを信じるよ。
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詞羽音 | |
!?…まさか、本当に呪いを解いた…?
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夜宵 | |
おぬしたちの呪力をぶつける事で相殺させたのじゃ。
私の卑弥呼の力を使う事で成しえる事じゃが…二人の呪力が足りなければ成功しなかったじゃろう。 それにしても、おぬしは厄介な呪いを使っておるんじゃな…。 その手、おぬしが手を注ぎ作ったのじゃろ?既に指を四本も追って力を底上げして 五本目の指を折ってしまうとどうなるか分かっておるんじゃろうな。 |
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詞羽音 | |
この呪いを知っているなんて…。受け付いた力が影響しているのかしら?
どちらにしてもこんな不利な状況で戦う程、私は愚かではないわ。 五本目の指の事だって、よく知っているもの。…よく、ね。 プリンセス、今度はちゃんと呪い殺してあげる。 そして必ず私のモノにしてみせるわ…可愛い可愛い人間さん。 |
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ララ | |
夜宵さん…それに柚ちゃん、杏ちゃんも…あり、がとうございます…。
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夜宵 | |
気にする必要はないのじゃ、姫。とにかく今は呪いに蝕まれた体を休ませた方が良いじゃろう。
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ララ | |
はい…。貴方がそんなに…悲しそうな顔をする必要はない、ですよ。
それに、呪いで苦しい中…貴方がずっと私を見ていてくれたから… 呪おいに抗い続けられ、たんです……。すぅ、すぅ…。 |
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夜宵 | |
焦らずとも良い、眠りについただけじゃ。おぬし達も疲れたじゃろう。
私が祈祷を捧げるゆえ、ゆるりと心身を休ませるのじゃ。 |
詞羽音 | |
プリンセスの苦しみを取り込んだ蝋…
これがヴァンパイアの祖、復活に必要だと言っていたけれど、どうやって使うのかしら? |
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??? | |
……。 | |
詞羽音 | |
気になるの?…そうよね。貴方にとっては大切な親友を誑かした相手の痕跡だものね。
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??? | |
俺が、親友ヲ…救う。必ズ……。
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