運命聖戦第三十四章_ストーリー
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ルチナ |
やあ、聖なる血を持つ人間。元気だったかな?プリンセスも。
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ララ |
ルチナさん…! | |
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ルチナ |
今日は貴方たちに見せたいものがあって来たんだ。
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ララ |
見せたいもの…?
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ルチナ |
おいで、零式。 | |
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零式 |
…ゥ、ア……。 | |
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ルチナ |
これまでに集めた純潔のヴァンパイアたちの血を使って完成させた泥人形だよ。
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ララ |
…泥、人形…? | |
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ルチナ |
そう。私が作ったんだ。ある魂を受け入れるための器としてね。
ただ、少々動きが悪くてね。素材が足りないのかな。例えば…プリンセスの血、とか。 あの時、プリンセスの躰は魔術で護られていて、血をもらえなかったからね。 |
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ララ |
…っ!私の血を奪いに…?
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ルチナ |
それも一つだね。でも、まずはこの子の性能を確認したくね。
聖なる血を持つ人間が魔術団の召喚獣を開放させたって聞いたよ。予想よりも強いみたいだね…。 |
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??? |
いつまで喋ってるの?早く動かしてみせてよ♪
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ララ |
!?その声は…、マディナさん!!
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マディナ |
ふふっ、相も変わらず二人で共存世界を目指しているのねぇ。
…無事でよかった、なんて…そんな安堵したような表情しちゃって。貴方って本当に変な人間ね。 |
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ララ |
マディナさん…、まさか、今は魔術団の一員に…?
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マディナ |
フッ、別に魔術団員になったわけじゃないわ。面白そうだったから手を貸しているだけよ。
蒼聖の教団は貴方たちが壊しちゃったでしょ?私は好きに研究できる場所だったのに。 ま、でもそのおかげで面白そうなコトに関われてるからいいけど♪ さぁ、ルチナ、早く動かしてみて?私が提供した素材も使ってるんだから。 |
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ララ |
素材…?それって…以前ルチナさんが言っていた「教団から拾ってきた素材」というものですか?
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マディナ |
やあだ、ルチナったらそんなことまで教えてるのね。プリンセスたちは知らない方が幸せよ。
…壊れた人たちを使ってるなんて聞いたら、きっと怒っちゃうでしょ? |
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ララ |
…!?「壊れた人」とは、どういう…
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マディナ |
ルチナ!この子たちももう待ちきれないみたいよ!
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アハト |
聖なる血を持つ人間はあたしが仕留める。泥人形の手柄になんかさせない。
そうして、あたしが失敗作なんかじゃないってことを証明してみせる! |
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ノイン |
主の命により、誇り高きヴァンパイアを惑わす人間を攻撃する。
邪魔する者はプリンセスであっても道連れに。ただし、残ったモノは丁重に扱うこと。 |
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ララ |
彼女たちは…? | |
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ルチナ |
魔術団の人形兵器だよ。貴方たちを仕留めるために勝手についてきたんだ。
まったく、お前たちの主はここにはいない。無様に壊れても私は知らないからね。 特に、兵器に不要な心を宿して失敗作扱いされているアハト…、 意気込んでいる割には手は震えているようだ。不安だな。 壊れた時はノインに回収させよう。ノインはちゃんとした『兵器』だから。 さあ、零式。お前の出番だよ。力を見せてくれ…! |
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零式 |
アルジノ…メイ…ナラバ…。
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ルチナ |
…駄目か。
プロトタイプとはいえ、器としてはもろかったみたいだ。 血かな…?いや、骨かもしれないね。 もっと純血のヴァンパイアの骨を集めて継ぎ足してみるか…。 |
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マディナ |
失敗だったわね。残念だわぁ。
でもまた実験できるわけね♪ルチナ、私は一足お先に帰るわ♪ |
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ララ |
待ってください、純血のヴァンパイアの骨を集めるって…?
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ルチナ |
ん?そのままの意味だよ。純血のヴァンパイアの躰から骨をもらうんだ。
若くて成長期の子の骨がいいのかな。 |
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ララ |
…!!
貴女たち魔術団は、ヴァンパイアの自由を求めているのだと聞きました…、 なら、なぜヴァンパイアを傷つけるんですか!? ヴァンパイアの犠牲の上に成り立つヴァンパイアの自由って何ですか!? |
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ルチナ |
犠牲になるのは人間なんかと共存しようとしてる愚かなヴァンパイアだけだよ。
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ララ |
…っ、そういう問題では…!
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??? |
落ち着け、プリンセス・ララ。
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ララ |
その声は…!
ファウストさん!!来てくれたんですね! |
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ファウスト |
貴様ら、まさか『ヴァンパイアの祖』を復活させる気か?
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ララ |
…?ヴァンパイアの祖…、ですか…?
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ノイン |
『さすがはドクトル・ファウスト。』
『自らを生み出したヴァンパイアの躰で生きているだけのことはある。』 『だが、気づくのが遅かった。もう我々を止めることはできない。』 |
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ルチナ |
…喋っているのはノインではないね。幹部様のお出ましか。
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ノイン |
『ルチナ・アレクト。お前はもうお引き上げろ。失敗作の泥人形と一緒にな。』
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ルチナ |
…。 | |
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ファウスト |
人形兵器の躰を使ってまで、何を話したいんだ?幹部様とやら。貴様は誰だ。
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ノイン |
『フッ…。』
『我々は、暁の魔術団(メイジズ・オーダー・オブ・デイブレイク)…と名乗っておこう。』 |
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ファウスト |
なんだ、自分の名も名乗れない腑抜けか?
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ノイン |
『腑抜けなのはそこにいるプリンセスの方だ。』
『王家の末裔として、本来であればヴァンパイアの地位を揺るぎないものにすべき存在。』 『それは…人間との共存を目指すなど、腑抜け以外の何者でもないわ。』 『プリンセスに代わってヴァンパイアを統べる存在を創り、現世を支配する…』 『それが我らの使命だ。』 『親の遺志を受け継ぎ、だと?笑わせるな。』 『貴様の親の代から、多くのヴァンパイアが人間に傷つけられ、辱められ、陥れられてきた!』 『多くのヴァンパイアが、共存世界など望んでいなかった!!王家の独裁だ!!』 |
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ララ |
そんな…っ!独裁などではありません!!
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ノイン |
『聞く耳持たん!』
『ヴァンパイアにとって何が幸せか…我らが証明してみせる。』 『…まってく、こやつらはどんだ木偶であった。木偶など要らん。』 |
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ララ |
…っ、何をする気ですか!?
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ノイン |
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ララ |
マスターさん!?危ないです!!
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ノイン |
…人間、何をする。貴様への攻撃命令は解けているが、邪魔をするなら容赦しない。
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ララ |
マスターさん…、ノインちゃんとアハトちゃんを護ろうと…。
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アハト |
あたしたちを護る…?どうして…。
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ノイン |
…木偶呼ばわりする奴の言うことなんか聞く必要はない、だと?
主は主だ。私たちは主の命で動くために生かされている。主が破壊を望むなら従うだけだ。 |
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アハト |
あたしは嫌だ…っ!!壊されたくなんかない、ノインが壊れるところも見たくない…!!
ノイン、あたしらは捨てられたんだ…「主」はもういないんだよ…。 そこの人間が言ったように、もう魔術団の言うことに従わなくていいんだよ!? もう…っ、誰かを傷付けなくていいんだ…! |
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ララ |
アハトちゃんは本当は戦いたくなかったんですね…。だからあの時、手が震えて…。
…ノインちゃんはどうしたいですか? |
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ノイン |
どう、したい…?…考えたことがない…。私は…分からない…。
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ララ |
それなら、今ここで争うのはやめませんか?ね、マスターさん!
マスターさんの言う通り、先のことはこれから考えればいいんですよ! 私たちには仲間がたくさんいます、人形に詳しい人も機械に詳しい人もたくさん! だから、私たちと一緒に来ませんか…?アハトちゃん、ノインちゃん。 |
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ノイン |
……。 | |
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アハト |
…どうしてお前らは、あたしらみたいな兵器を気にかけるんだ…?
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ララ |
ふふ、そんなこと、理由なんて必要ありませんよ。そうですよね?マスターさん♪
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ファウスト |
くくく…面倒事に自ら首を突っ込んでいく…。我を退屈させないな。
…ヴァンパイアの祖の復活、か……。 こやつらにとって、新たな戦いが始まるようだな。 くく…愉しませてもらおう…。 |
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